▶ 群数列の仕組み
▶ 解くときに毎回取るべきアプローチ
群数列の問題の仕組み
群数列の問題では、以下の2つの数列が存在します。
それぞれの役割を正しく理解することが、問題を解く上で重要です。
- 群を考慮しない数列
- 各群に含まれる項数の数列
(各数列の詳細については次項で解説します。)
この2つの数列の存在が、群数列の問題を難しくしている点であり、まずこれらを明確に区別し、問題の構造を正確に理解することが求められます。
ここからは、具体的な解法について説明します。
群数列の問題へのアプローチ
群数列の問題では、以下の3つの数列や値を書き出して整理するところからスタートします。
今回は例として以下の数列に対して整理します。
(例)1 | 3,5 | 7,9,11 | 13,15,17,19 | 21 ⋯
- 第\(n\)項の値の数列 \(a_n\)
群を考慮せず、元の数列に焦点を当てた数列の一般項は次のようになります。
例:1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21
⇒ 第n項の値 \(\color{red}{a_n = 2n – 1}\) - 第\(m\)群に含まれる項数の数列 \(b_m\)
第1群目に含まれる項数は1、第2群目に含まれる項数は2 ⋯という形で各群に含まれる項数のみに焦点を当てた数列を考えます。
・例:1,2,3,4 ⋯
⇒ 第m群目に含まれる項数 \(\color{red}{b_n = m}\) - 第\(m\)群の初項が第何項か \((n \geq 2)\)
具体例
5群目の初項が何項目かを求めます。
そのために、初めに第1群~第4群の項数の総和を求めます。
各群の項数は1,2,3,4 であるため、その総和は次のようになります。
\(1+2+3+4=10\)
第5群の初項は第4群末項の次の項になるので、第11項です。
一般化
第m群の初項を求めるには、第1群目から第(m-1)群目までの項数の総和を求めます。
これを\(\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k+1}\)で表し、さらに1を加えて次の項の項数を求めます。
今回の例では以下のように書けます。
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k+1 = \frac{1}{2}(m-1)m + 1\)
群数列では、①と②という異なる数列が存在し、③がその橋渡しをする役割を担います。

(例)第100項は第何群何項目?
1.第100項が第何群に属するかを求める
第100項がどのあたりにあるかの概算を立てます。
具体的には、③において、mに適当な値を入れて第100項の位置を特定します。
(ここは地道にやりましょう。一発で以下の数字を特定する必要もありません。)
\(m = 14\)のとき \(\frac{(m-1)m}{2} + 1 = 92\)
\(m = 15\)のとき \(\frac{(m-1)m}{2} + 1 = 106\)
ここから、第100項は第14群にあることがわかります。
2.第14群何項目かを求める
第14群の初項が第92項目であるので、数えていくと第100項が第14群9項目であることがわかります。
問題によっては①が求められない場合があります。
その場合、③を用いて補完的に考えることが重要です。
こちらで実際に問題の中での使用例を解説しています。
群数列 問題解説① | 大学受験数学の考え方と読み方
群数列 問題解説② | 大学受験数学の考え方と読み方
まとめ
群数列の問題を解くときは以下の3つを書き出す。
- 第\(n\)項の値の数列 \(a_n\)
⇒ 第n項目の値 \(a_n = 2n – 1\) - 第\(m\)群に含まれる項数の数列 \(b_m\)
⇒ 第m群目に含まれる項数 \(b_m = 2m\) - 第\(m\)群の初項が第何項か
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k+1\)