群数列 問題解説①

群数列 問題①

実際に、群数列の問題解説を行います。
先に群数列の基本的な考え方を読んでください。

問題

\(偶数の数列を\\
2|4,6,8|10,12,14,16,18|20,22,⋯\\
のように順に1個,3個,5個,⋯に分けるとき、次の問いに答えよ。\\
\\
(1) 第 n 群の最初の偶数を求めよ\\
(2) 第10群の6番目の数を求めよ\\
(3) 1000は第何群の何番目の数か\)

解説

まず、群数列の基本的な考え方でも記載した通り、3つの数列や値を整理しましょう。

  1. \(n\)項の値の数列 \(a_n\)
    ⇒ 第\(n\)項目の値 \(\color{red}{a_n = 2n}\)
  2. \(m\)群に含まれる項数の数列 \(b_m\)
    ⇒ 第\(m\)群目に含まれる項数 \(\color{red}{b_m = 2m – 1}\)
  3. \(m\)群の初項が第何項か \((n \geq 2)\)
    \(\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k+1}\)
    今回の例では以下のように書けます。
    \(\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k + 1 = \color{red}{m^{2} – 2m + 2}\)

今回は①~③の値が全て求められています。
また、今回の問題では項数がわかればその項の値がわかる、つまり、①が使えれば値を求めることができるということにも注目しておきましょう。

\((1) 第n群最初の偶数\)

“第\(n\)群最初”という群の情報のみが与えられていますが、値を求めるには第何項かが必要ですので、③を使いましょう。
③は\(n \geq 2\)の時しか使えないので、\(n = 1\)のときは別で求める必要があります。

\(n = 1のとき\\
数列から明らかに2\\
 \\
n \geq 2のとき、③を用いて第n群の初項は n^{2} – n + 1項です。\\
この値を①に代入して、求める値は\\
2(n^{2} – 2n + 2) = 2n^{2} – 4n + 4 となります。\)

\((2) 第10群の6番目の数を求めよ\)

この問題も、群の情報のみが与えられているので、③を用いて第何項かを求めましょう。

\(第10群の初項は③にn = 10を代入して第82項目\\
ここから、第10群6項目は第87項目と求められます。\\
この値を①に代入して 2 \times 87 = 174 です。\\
したがって、第10群の6番目の数は174です。\)

\((3) 1000は第何群の何番目の数か\)

この問題は以下の2通りの解き方が考えられますが、どちらでも解答を導くことができます。

  • ①を用いて1000が第何項かを求めてから③で第何群何項目かを特定
  • (1)で求めた値から1000が第何群かを求めてから、数えて第何群何項目かを特定

今回は後者のルートで求めます。

\((1)の答えを用いて、1000が第何群かを求めます。\\
1000 が第n群に含まれる条件は\)

\((n群の初項) \leq 1000 < (n + 1群の初項)\\
2n^{2} – 4n + 4 \leq 1000 < 2(n + 1)^{2} – 4(n + 1) + 4\)

\(この不等式を満たすnは23です。\)

\(すなわち、1000は第23群に含まれます。\\
第23群の初項は970なので、丁寧に数えると1000は\\
第23群の16番目の項と求められます。\)

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