群数列 問題②
先にこちらの群数列の基本的な考え方を読んでください。
また、群数列 問題解説①でも群数列の問題解説を行っております。
\(数列\\
\frac{1}{1}|\frac{1}{2},\frac{2}{2}|\frac{1}{3},\frac{2}{3},\frac{3}{3}|\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4},\frac{4}{4}….\\
について次の問に答えよ。 \\
(1) 第150項を求めよ。 \\
(2) 初項から第150項までの和を求めよ。\)
解説
まず、群数列の基本的な考え方でも記載した通り、3つの数列や値を整理しましょう。
- 第\(n\)項の値の数列 \(a_n\)
⇒ 第\(n\)項目の値は求められない - 第\(m\)群に含まれる項数の数列 \(b_m\)
⇒ 第\(m\)群目に含まれる項数 \(\color{red}{b_m = m}\) - 第\(m\)群の初項が第何項か \((n \geq 2)\)
\(\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k+1}\)
今回の例では以下のように書けます。
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{m-1} b_k + 1 = \color{red}{\frac{1}{2} m(m – 1) + 1}\)
今回は①の数列が求められません。
また、今回の問題では「第何群何項目かがわかれば、その項の値もわかる」ということにも注意しましょう。
\((例)第100群35項目は分母が100、分子が35なので\frac{35}{100}\)
こういった、①が求められないパターンでは、②を求めれば値がわかるようになっています。
\((1) 第150項を求めよ。\)
第150項が第何群何項目かわかれば求められます。
そのために③を用いて第150項が第何群かを特定し、第何群何項目か求めましょう。
\(第150項が第n群に存在する条件は③より\)
\(\frac{1}{2} n(n – 1) + 1 \leq 150 < \frac{1}{2} n(n + 1) + 1\)
\(これを満たすnは17なので第150項は第17群に存在することがわかります。\\
③に17を代入して、第17群の初項は第137項と求まります。\\
なので、第150項は第17群14項目とわかるので、求める値は\frac{14}{17}\)
\((2) 初項から第150項までの和を求めよ。\)
①の数列が求められないので、数列の和の公式やΣを用いて計算することができません。
一方で、各群の中では等差数列になっているので、各群に含まれる項の和は求めることができます。
→ 第k群に含まれる項の和を一般化してしまえば、複数群に含まれる項の総和も求められそう!
また、第150項は17群14項目とわかっているので、第1~16群目までは埋まっているため上記方法で求められ、17群目だけ別途計算して足し合わせればよさそうですね。
方針
1.第k群に含まれる項の総和を求める。
2.第k群に含まれる項の総和に対して、kを1から16まで和を取る。
3.第17群の初項から14項目までの和を取る。
4.2と3で求めた各値を足し合わせる。
\(1.第k群に含まれる項の総和は\\
\frac{1}{k} + \frac{2}{k} + \frac{3}{k} + … \frac{k}{k}\\
= \frac{(1 + 2 + 3 + … k}{k}\\
=\frac{\frac{1}{2}k(k + 1)}{k}\\
=\frac{1}{2}(k + 1)\)
\(2.この求めた値に対して第16群までの和を取ると\\
\displaystyle \sum_{k=1}^{16} \frac{1}{2}(k + 1)\\
= \frac{1}{2}(\frac{1}{2} \times 16 \times 17) + \frac{1}{2} \times 16\\
=76\)
\(3.第17群の初項から14項目までの和は\\
\frac{1}{17} + \frac{2}{17} + \frac{3}{17} + …\frac{14}{17}\\
= \frac{(1 + 2 + 3 + … 14}{17}\\
= \frac{\frac{1}{2}\times 14 \times 15}{17}\\
= \frac{105}{17}\)
\(4.よって、求める和は、
76 + \frac{105}{17}\\
= \frac{1397}{17} と求められる\)